第262章:あなたたち二人は同盟を組むべき(2)

「怒らないと言ったから言うけど、西尾聡雄は私が初めて好きになった男の子なの」

「ふーん」青木岑は頷いて、少しも驚いた様子はなかった。

彼女の西尾様があれほど優秀なのだから、誰かに好かれるのは当然のことだった。

「私が8歳の時に西尾家に預けられていて、西尾父さんと西尾母さんは実の子供のように接してくれました。その時期をとても感謝しています。一年後に西尾家を離れてからは、西尾聡雄とは会っていませんが、心の中でずっとこの友達のことを忘れられなかったんです...ふふ...笑わないでほしいんですが、私はずっと西尾聡雄のような人は早婚しないと思っていました...早くても30歳を過ぎてからだと」

「だから行動を起こしたり、告白したりしなかったの?」青木岑は尋ねた。

「はい...私は自分に自信を持ちすぎていたのかもしれません。帰国してから初めてあなたたちが結婚したことを知りました。とても驚きました。両親は私に言わなかった、たぶん私が傷つくのを心配したんでしょう...西尾母さんも電話で一度も話さなかった...まるで私だけが蚊帳の外に置かれていたみたいです」

「じゃあ、彼は知らないんでしょうね?」青木岑は細川詩を見つめながら、彼女の話から西尾聡雄は細川詩の気持ちを知らないようだと感じ取った。

「知りません。私は一度も言ったことがないので」

「これから言うつもりは?」青木岑はゆっくりと一言一言尋ねた。

細川詩は少し戸惑い、どう答えればいいのか分からないようだった...

「正直に言うと、そこまで考えていません」

細川詩の言葉は確かに本当だった。言うつもりがないと言えば嘘になる、だってこれほど長い間片思いをしてきたのだから。

かといって言うつもりだと言っても嘘になる、だって相手は既婚者で、自分が何か行動を起こせば愛人という烙印を押されることになるのだから。

考えていないというのが、現時点で最も完璧な答えだった...

「じゃあ今日私に会いに来たのは、ただ好奇心で、私がどんな人か見たかっただけ?」

「そうですね...もしお仕事の邪魔をしてしまったのなら申し訳ありません」

「大丈夫よ、今はお昼休みだから邪魔じゃないわ」