青木岑は実際には冗談で言っただけだったが、思いがけずそれが現実になってしまった……
西尾聡雄と二人きりだと思っていたのに、青木岑は空港で幸治を見かけただけでなく。
さらに8人の撮影チーム、スタイリスト、カメラマン、アシスタントもいた。
最も重要なのは、なんと4人のボディーガードまでいたことで、今回モルディブに行くのは実際15人だった。
西尾超金持ちの出費は非常に気前が良かった……
X市までプライベートジェットをチャーターし、さらにX市からモルディブの首都マレまでもプライベートジェットをチャーターした。
最後にマレからパラダイス島へ移動し、前後合わせて11時間かかったのは本当に疲れた。
しかし幸いにも豪華なプライベートジェットで、座席は超大型ソファーだったので、疲れたら横になることもでき、非常に快適だった。
そのため疲労をあまり感じず、幸治は初めての海外で、全過程でとても興奮していた。
「姉さん……すべての女の心の中にモルディブがあるってことかな?」機内で、幸治は青木岑の向かいに座り、茶目っ気たっぷりに尋ねた。
「そうだろうね……こんなロマンチックな場所を誰が好きにならないでしょう?」
青木岑は海が好きな女性だったが、モルディブのような人間の天国を夢見ることはなかった。
C市も海沿いの都市だが、内陸の海で、海水は灰色で、スマホの壁紙にあるような青空と白浅さんの浅い青色の海水ではなかった。そのため、モルディブのような象徴的な島は、世界中の女性が憧れる場所となっていた。
しかし、道のりが遠く、費用も莫大なため、青木岑はそれを考えたことがなかった。
西尾聡雄は以前一度提案したことがあったが、二人とも忙しすぎて、来る時間がまったくなかった。
今回、西尾聡雄が突然決めた、このような思い立ったら即行動の旅行は、青木岑にとって突然であり、また驚きに満ちていた。
西尾様が作り出すすべてのサプライズに、彼女はとても感謝していた。なぜなら西尾様は彼女のことをよく理解していたからだ。
西尾聡雄の今回の決断は実は突然ではなかった。結婚後、ウェディングフォトも撮らず、結婚式も挙げていなかったことが、彼の心の中での不足だった。青木岑は最近、子供のことばかり考えているようで、自ら苦労して検査を受けに行っていた。彼はそれを見て心が痛んだ。