第326章:油瓶を連れて旅行へ(6)

「なぜGK映像に行くの?」青木岑は不思議そうに尋ねた。

「だって僕、松山雪乃が大好きだから……」

西尾聡雄:……

青木岑:……

「お前、アイドルのファンだったのか?」青木岑は呆れ果てた。

「彼女の演技が素晴らしいんだ。それに坂口晴人も、歌がめちゃくちゃ上手い。今回のコンサートで歌った最後のオリジナル曲『孤独な鳥』って知ってる?ヤバいくらい良かったんだ。聴いてたら心が張り裂けそうだった」

坂口晴人の話になると、幸治はさらに熱くなった……

「ああ、あの曲なら聴いたよ。確かに良かった」

「坂口晴人は実力派アイドルスターとして数少ない存在だ。我が社が力を入れて推している主演男優だよ」西尾聡雄は笑いながら言った。

「すごい……義兄さん、僕GKに行きたいな。松山雪乃のアシスタントになるとか、坂口晴人のアシスタントでもいいから」