第18章 あなたの隣の席の人

彼女は分かった。水野日幸のこの生意気な女は、自分を無視して、嘲笑っているのだ!

一橋渓吾は思わず彼女を守ろうとした。

「お前の料理を借りるよ」水野日幸は先に立ち上がり、彼の前の皿を取って、柳田霞の顔に叩きつけた。

周りで見ていた野次馬たちは、誰も展開がこんな風に急転することを予想していなかった。

少し離れたところで。

「やるじゃん!この娘、個性的でいいな!俺様が追いかけてやる!」辻緒羽は興奮して拍手した。

側にいた手下たちは、複雑な表情で緒羽様を見た。緒羽様はまだ気付いていないのか?

辻緒羽は不良っぽく隣の手下を蹴った。「格史、あの娘のクラスと名前を調べろ」

「緒羽様、あれは水野日幸です」林格史は額に黒線を浮かべた。

辻緒羽は横目で彼を見て、いらついた様子で「水野日幸って誰だよ?」