水野日幸の隣の席の辻緒羽は、また授業をサボっていた。
石田文乃は緒羽の席に座り、机に伏せて彼女を見つめていた。彼女は重度の顔フェチで、イケメンが好きだが、美人はもっと好きで、いくら見ても見飽きなかった。
「勉強に集中して」水野日幸は彼女の机を叩いた。
石田文乃はデレデレした顔で笑った。「日幸ちゃん、ダンスコンテストに参加するのは、曽我若菜のためなの?」
水野日幸は自分の意図を否定しなかった。「そう」
石田文乃は興味深そうに聞いた。「彼女の足をあなたが折ったから、コンテストに出られなくなったって本当?」
水野日幸:「嘘よ」
石田文乃は予想通りといった表情を浮かべた。「やっぱりね、絶対嘘だと思った。自分で転んだくせに、あなたを陥れようとするなんて、本当に性質が悪いわ!」
日幸ちゃんはこんなに可愛いのに、そんなことするはずないわ。曽我若菜のあのビッチは、ただ彼女の美貌を妬んでいるだけよ!
水野日幸は「うん」と返事をして、彼女にリストを渡した。「ちょっとお願いがあるんだけど」
石田文乃はリストを一瞥した。曽我若菜と曽我時助が参加する様々なコンテストのリストだった。彼女は唾を飲み込んで「本気?」と尋ねた。
水野日幸は突然近づき、彼女の耳元で囁いた。「本気よ」
石田文乃は心臓が一拍飛んだ。心の中で狂ったように叫んでいた:日幸ちゃんが私を誘惑した、誘惑したわ!
水野日幸は唇を歪めて笑った。「ありがとう。うまくいったら、ご飯でも奢るわ」
石田文乃は彼女を心配そうに見た。「でも日幸ちゃん、あなたの成績は私よりも悪いわ。コンテストに出たら、恥をかくことになるわよ」
水野日幸は唇を歪め、冷たい瞳に傲慢さを宿した。「落ちこぼれが永遠に落ちこぼれとは限らないわ」
「わかったわ。これらのコンテストの枠は、私に任せて」石田文乃は彼女の目に宿る自信と誇りを見て、彼女の全身が輝いているように感じた。
この瞬間、他人がどう思おうと、彼女は心の底から、日幸が必ず曽我時助と曽我若菜に勝てると信じていた。
国際クラスの生徒たちは、水野日幸がこんなに早くクラスに溶け込むとは夢にも思わなかった。昨日は緒羽様を、今日は石田文乃を味方につけた。