第26章 チャンスを掴む

源那津の動きは早く、一週間もかからずに新会社の手続きをすべて済ませていたが、ただ社名についてはちょっと意見があった。

「日幸、会社の名前、もう一度相談してみないか」源那津は、この名前が厨二病すぎると深く感じていた。

「コスモスエンターテイメントグループ、何か問題でもある?」水野日幸は反問した。

「この濃厚な厨二病感は、私のような成熟したエリート男性には似合わないよ」源那津は真面目な顔をした妹を見つめた。

この子は初めて会った時、とても楽しそうに笑っていたのに。

この数回の面会では、笑顔一つ見せてくれず、真剣な表情を見せる時は、彼でさえプレッシャーを感じるほどだった。

「とても似合ってるわ」水野日幸は彼を横目で見て、その眼差しは『あなたこそ厨二病よ』と物語っていた。