第23章 胸糞が悪い

水野日幸は一戦で名を上げた。

学校一のワルである辻緒羽が公衆の面前で彼女に求愛を宣言し、第四中学校の目立たない存在から、女子生徒たちの公敵へと変わってしまった!

朝、学校に着くと、彼女と辻緒羽の机、そして前後左右の机が全部くっつけられ、二、三十種類はある朝食が並べられていた。和食も洋食も全て揃っていた。

林格史が笑顔で近づいてきた。「日幸姉、これは緒羽様が用意したものです。どうぞごゆっくり」

水野日幸は冷たい声で言った。「これ全部持って行って」

林格史はへへと謝りながら笑った。「日幸姉、顔を立ててくださいよ。これは全て緒羽様の真心なんですから」

「私はあなたの姉じゃない」水野日幸は彼が動かないのを見て、自分で机を片付け始めた。カバンを机の上に投げ出し、冷たく言った。「辻緒羽に伝えて。もうこんな余計なことはしないでって」