第46章 彼女は何様のつもり

少女は自分のことを知らない人がいるとは思わなかった。「私は関口月です。松原白羽先生の直弟子です!」

水野日幸は「先生のご厚意に感謝します。ですが、弟子入りはお断りします」と答えた。

他の人がこう言ったら、関口月はきっと見栄を張っていると思うだろう。でも、目の前の少女が本気で言っているのは分かっていた。「私の先生は日本一のダンスアーティストですよ。どれだけ多くの人が先生の弟子になりたがっているか分かりますか?」

水野日幸は礼儀正しく「先生にお伝えください。時間があれば必ずご挨拶に伺います」と言った。

彼女はもちろん知っていた。松原白羽先生は日本一のダンスアーティストであり、日本の誇りであり、日本の貴重な宝だということを。

「どうしてですか?理由くらい教えてください。先生に報告しなければならないので」関口月は彼女を追いかけた。