第53章 頭がおかしい

曽我若菜は膝の上で手を固く握り締め、目の奥に嫉妬の炎が燃えていた。

水野日幸のあの小娘め、一体どんな手を使ったのか、あんな短期間で国際クラスのあの役立たずどもを手なずけてしまった。

曽我時助は血走った目で、彼女に詰め寄ろうとした。

曽我言助は彼を引き止め、歯を食いしばって言った。「君子復讐に十年を期す」

テレビ局は人が多く目も多い。水野日幸は国際クラスの連中と一緒にいて、手出しがしづらく、三男は機会を見つけられなかった。

国際クラスから水野日幸を応援に来たのは十数人で、水野春智の車には乗りきれなかった。

石田文乃も二人連れてきて、水野日幸を後部座席に座らせ、残りの人たちには自分の車で後ろについてくるように言った。

出雲絹代は水野春智と前に座り、にこやかに子供たちと話をしていた。