第48章 優勝おめでとう

彼女は自分に似た容姿のダンサーが、舞台で情熱的に美を表現する姿を目の当たりにして、心を動かされないはずがなかった。

彼女は知らなかった。この娘のダンスが、こんなにも高みに達していたことを。

そう、ダンスは本当にダンスを愛し、真のダンスアーティストにとってのみ、「境地」という言葉が相応しい。

彼女にとって、日本全土でこの称号に値するのは、松原白羽先生ただ一人だけだった。

そして彼女のこのダンス、彼女が見せてくれた視覚の饗宴は、その言葉に値すると感じた。

「川村先生」助監督が彼女を呼び、小声で促した。「採点をお願いします」

川村染は我に返り、目に宿った感動をゆっくりと収め、採点板を手に取って点数をつけた。芸術に対する自身の敬意から、最も適切な点数を与えた。

曽我若菜は特別席に座り、目の奥に憎しみを湛え、両手を強く握りしめ、爪が手のひらの肉に食い込んでいた。

彼女は川村染が水野日幸のダンスに魅了され、曽我時助の目に隠しきれない感動が宿るのをはっきりと見ていた。

彼らは水野日幸を家に迎え入れようとしているのか?

彼らはあの小娘に心を開き始めたのか?彼女を認め始めたのか?

絶対に駄目!

水野日幸が再び曽我家に戻ることなど、絶対に許さない!

私こそが曽我家の娘なのよ!

水野日幸なんて何者でもない、ふさわしくないのよ!

結果は予想通り、水野日幸が金賞を獲得し、川村染から trophy を受け取る際、礼儀正しく謙虚に微笑んで「ありがとうございます、川村先生」と言った。

川村染は彼女の瞳に、悲しみも、苦しみも、後悔も、哀願も見出せなかった。澄んだ瞳は水晶のように透き通り、底まで見通せた。

まるで他人を見るかのような、あまりにも平静な眼差しに、彼女は一瞬胸が詰まったが、威厳は保ったまま「これからも頑張ってね」と言った。

司会者が話を引き継いだ。「水野先生、優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください」

水野日幸はトロフィーを掲げ、冷たさを消し去り、まるで普通の受賞に喜び興奮している少女のように「出雲さんの指導に感謝します。そして我が家の水野が何十年もの間、変わらず教えてくれたことにも感謝します」

「お父様とお母様は今とても幸せでしょうね」司会者は笑顔で尋ねた。「ご家族は会場に応援に来ていらっしゃいますか?」