第51章 長期的な計画を立てる

浅井長佑は気が狂ったのか?

なぜあの水野日幸という小娘に花を贈るなんて!

川村染もこんな展開になるとは思わなかった。水野日幸を探るように見つめた。

いつから長佑と知り合いなんだろう?

やはり彼女を見くびっていたようだ!

水野日幸はステージを降りたばかりだった。

石田文乃が飛ぶように駆けつけ、目を輝かせながら「日幸ちゃん、日幸ちゃん、すごいじゃん!いつから私の由右と知り合いなの?」

水野日幸は少し考えて「浅井長佑?」

石田文乃「私の由右以外に誰がいるの?早く、サイン入りの写真をもらってきて」

水野日幸「知らないわ」

石田文乃は口を尖らせた「嘘つき、知らないのに花を贈るわけないでしょ。知らないの?私の由右はクールで、誰にも花なんて贈ったことないのよ」

水野日幸「あなた、好きな人何人いるの?今日の恋人はどうしたの?」

石田文乃はそれを聞いて怒り出した「テレビ局中探したけど見つからなかったの。きっと天界から降りてきた神仙様で、私に会ったら帰っちゃったのかも」

水野日幸は鼻で笑った「私は行かないわ。欲しいなら自分で行って」

石田文乃は土下座した「お願い!分からないでしょ?私、由右の顔を直視できないの。由右に見られたら心臓が止まりそうになって、興奮で気を失っちゃうかも」

水野日幸は彼女たファンの気持ちが理解できなかったが、今日の彼女の奔走を考えて「待ってて」

石田文乃はハートマークを作り、急かした「大好き大好き、早く行って」

**

行方不明だった曽我言助は見つかった。廊下の突き当たりの物置で発見され、粽のように縛られて隅に放り込まれており、頭にも怪我をしていた。

川村染は息子を心配そうに見つめた「犯人を見たの?どんな顔だった?」

曽我若菜は涙を流しながら「二のお兄様、きっと痛いでしょう。私が代わりに怪我をすればよかったのに」

曽我時助の目の中の光が明滅し、暗く濁っていた。

二番目の兄が怪我をして閉じ込められ、言葉も詰まっている。以前、水野日幸を探すと言っていたことを思い出した。

これは間違いなく水野日幸というガキのしわざだ。あいつが凶暴になる姿を見たことがない人もいるだろうが、自分は見たことがある。まるで人を食らう狼のような目つきだった。