川村染も嬉しそうで、江川歌見と彼女の弟子が気を利かせてくれたと思った。しかし、彼女たちが面子を立ててくれたとしても、それを受け入れるかどうかは別問題だった。
中森茜がスタイリストを引き受けて、金賞作品を彼女に提供することを承諾すれば、すべてうまくいく。そうでなければ、師弟二人を許すつもりはなかった。
工藤沙織は思わず目を白黒させ、少し心穏やかではなかった。
会場には多くの国際的なスターやファッション界の大物たちがいる中で、誰一人として川村染に及ばない者はいないのに、江川歌見は彼女を会場のセンターポジションに座らせ、さらに娘も連れてきている。一体何を企んでいるのか分からなかった。
これらの外国人は国内のスターとは違って、純粋に面子を立てるために来ただけで、センターポジションなどどうでもいい、楽しければそれでいいという態度だった。もし国内のスターたちだったら、きっと血で血を洗う争いになっていただろう!