第226章 邪風が吹く

曽我若菜の顔の笑みが一瞬凍りつき、心臓が飛び跳ねるように動悸を打ち、少し緊張しながら尋ねた。「日本映画祭のこと?」

水野日幸はカバンを背負って歩き出し、二歩進んでから振り返り、冷ややかに嘲笑った。「お前に関係ないだろ!」

曽我若菜の目の奥に凶暴で陰険な色が浮かび、極度の焦りで呼吸さえ困難に感じ、胸に大きな石が乗っているようだった。

でも、そんなはずがない。

絶対にありえない。

水野日幸のあの小娘、また嘘をついて、わざと私を怒らせているんだわ。

日本映画祭がどんな場所か知っているの?あんな気持ち悪い存在に、参加する資格なんてあるわけない。

曽我時助は水野日幸の言葉を聞いて、突然立ち上がり、怒りに震えながら曽我若菜を引っ張って離れた。「あんな奴と話なんかするな」

あいつは気持ち悪くて、見ているだけで胸が悪くなる存在だ。