第323章 エメラルドを掘り出す

この娘はまだ認めようとしないけど、最初から最後まで、この若者は彼女の言うことを聞いて行動していたんだ。この目は、年を取っても確かなものだよ!

水野日幸は認めず、笑って言った。「見ていけば分かりますよ。急いては事を仕損じます」

この宝石店の店主と鑑定士は、なかなか面白い人物だった。

江川鷹山がまた一刀を入れた時、目を大きく見開き、興奮した声で叫んだ。「王丸さん、何か出てきた!早く見てくれ、何か出てきたぞ!」

王丸叔父は彼のそんな大声を聞いて、こんなに興奮している姿は初めて見たので、急いで駆け寄った。一目見て驚いた。「なんということだ、エメラルドだ、これはエメラルドだ!」

この言葉が落ちると、周りの見物人たちの表情は様々だった。

木村鷺と夏目之沢の二人は、蠅を飲み込んだような顔をして、飲み込むことも吐き出すこともできず、顔が青ざめていた。

他の学生たちと店員たちは、エメラルドと聞いて、羨望と嫉妬の眼差しを向けてきた。なんてこと、エメラルドだなんて、大当たりじゃないか!

水野楓は宝石についての知識はなかったが、エメラルドについては知っていた。緑の宝石で、とても高価なものだ。心の準備はできていたが、それでも妹に対して五体投地で感服せざるを得なかった。

王丸叔父と江川鷹山の二人は、慎重に原石を切り進め、最後には大小数十個のエメラルドの柱状結晶が出てきた。最大のものは、成人男性の拳ほどの大きさだった。

品質は非常に高く、深緑色で、色と輝きの両方がエメラルドの最高級品質に達していた。価値は間違いなく一億円を下回らないだろう。

水野楓は水野日幸を見つめた。大当たりだ!

四万円で、これほどのエメラルドを出すなんて、妹は一体どんな神仙なんだ。これからは何も言わない、彼女が何をしろと言っても、そのとおりにする。二つ返事で。

木村鷺と夏目之沢は今や面目を失っていたが、これだけの人前で、ただ憤懣を抱えるしかなく、何もできなかった。

他の学生たちは一斉に水野楓を取り囲み、極めて丁重なお世辞を言い、お追従を並べた。心の中がどうであれ、嫉妬で目が赤くなっていても、彼との関係を築こうとするのは当然だった。