第362章 反撃開始

特進クラスの生徒たちの中には、まだ納得できない人もいて、怒りを隠せない様子で、認めようとせず、「歌が上手いからって何？いい曲だからって何？」と言っていた。

いい曲なんていくらでもあるのに、必ずしもヒットするわけじゃない。ヒットするかどうかは、時には運次第なんだ！

芸能界にはこんな言葉がある。小さな成功は後押しで、大きな成功は運命だ。無理な後押しは天罰を受ける。この城戸修という新人が言助兄と一緒に曲をリリースするなんて、まさに典型的な無理な後押しじゃないか？

現実を受け入れた人もいて、特に賭けをした人たちは、確認するために携帯を取り出し、アーティストを検索し、曲を検索し、イヤホンをつけて、さっき流れた曲がどれだかわからないので、一曲ずつ聴いていった。

でも携帯の音楽アプリは試聴しかできないので、曲を聴くために新しいアプリ「シャーティン」をダウンロードし、10元でデジタルアルバムを購入した。

しかし一度聴き始めると、もう止められなくなった。完全に心を奪われ、アルバム全体を通して聴いてみると、さっき第四中学校に響き渡った曲は、むしろ中の下程度の出来だった。

3つのメインの曲は、どれも前の曲より素晴らしく、作詞作曲からアーティストの歌唱まで、極上の聴覚の饗宴だった。

曽我時助と曽我若菜は点滴を受けている田中澪子を見舞うため保健室に向かった。

田中澪子は二人を見て困惑した表情で言った。「言助兄の曲は全部何度も聴いてるのに、どうしてこの曲を知らないんだろう？」

曽我若菜は表情が暗くなり、体の横で無意識に手を握りしめながら首を振った。「私も分からない。お兄さんの曲じゃないわ。誰かが間違えて流したんでしょう！」

確かにこの曲はとても良くて耳に残る。歌手の声も独特で天性のものだった。残念ながら、お兄さんが歌ったものではなかった。

田中澪子は笑いながら言った。「違うなら違うでいいわ。でもこの曲、本当にいいわね。この歌手の声も素敵だわ、心地よい感じ。」

そう言って、曽我若菜の表情が悪くなるのを見て、急いで付け加えた。「そういう意味じゃないわ。もちろん言助兄には及ばないけど。」

この歌手は誰なんだろう？声フェチの彼女にとって、その声は魅力的すぎた。声を聴くだけでその容姿を想像せずにはいられない、むしろ押し倒したくなるような、そんな声だった。