第397章 妊娠していない

「清水さん、清水若様のことは、私にできる限りのことをさせていただきます」水野日幸は現時点で言えることは、それだけであり、命が助かるという保証はできなかった。

彼女は今のところ、神経毒素が神経細胞を侵していることしか分からず、神経系統がどの程度まで破壊されているのかは不明で、さらなる血液検査が必要だった。

「水野先生、年彦は...まだ助かる可能性があるということですか?」清水叔父は震える声で尋ねた。絶望の中での一縷の望みを託すような問いかけだった。

「少しお話しできますでしょうか?」水野日幸は先ほど辻緒羽に確認したところ、清水叔父は完全に信頼できる人物だと分かっていた。

清水叔父は胸の高鳴りを抑えながら、息子にまだ希望があるかもしれないと思い、水野日幸たちと共に車に乗り込んだ。