第521章 美顔フィルターをオフにする

彼女の一番近くで、ずっと彼女を見ていたのは司会者と三人のファンで、最前列にいた人たちは目を見開いて、目の前の光景を信じられない様子で見つめていた。

水が曽我若菜の顔を流れ落ち、まるでそれは水ではなく、突然オフにされた最大限に盛られた美顔フィルターのようで、美顔、大きな目、小顔、美肌効果が一瞬にして全て消えてしまった。

目の前のこの顔は、醜いとは言えないものの、決して美しいとは言えない。眉毛は消え、剥がれた二重テープが瞼に張り付いて、もともと小さく垂れ目の目がより一層奇妙に見える。鼻筋は低く、鼻先が大きく、唇は薄く、形も変だった。

肌は全く綺麗ではなく、黄ばんでいて、そばかすが多く、肌と顔の造作を合わせて見ると、普通どころか、醜くないとさえ言えないほどだった。

二人のオタクファンは、その場で驚愕し、目が飛び出しそうになった。目の前の光景は、あまりにも衝撃的で、彼らの心に極めて残酷な打撃を与えた。