第520章 ドンという音と共に、水風船が破裂した

曽我若菜の向かい側には、三人のファンがいた。二人の男性ファンと一人の女性ファンで、彼女のファンは主に男性オタクで、彼女の性格と容姿のファンである彼氏ファンや旦那ファンが多く、女性ファンの割合は少なかった。

このゲームでは、ファンたちが協力して、自分のアイドルを困らせる問題を出すことが最終目的だった。ただし、ファンたちにもあまり無理はさせず、アイドルが答えられない問題を一つ出せれば、アイドルの直筆サイン入りポスター、直筆サイン入り写真、そして番組側から提供される四十万円の賞金が獲得できる。

ファンたちは今、必死に問題を考えていた。自分の推しが水をかけられるのを見たくないが、番組側の四十万円の現金賞金は魅力的だった!

各ファングループには、場外の助けを求める機会が一回あり、助けを求める対象は番組のゲスト講師たちだった。これは講師たちも否応なく参加させられる幼稚なゲームだった。

谷川陽は困ったような表情を浮かべていた。番組側はもっとつまらないことができないのか、せっかくの決勝戦のステージが全く真面目さを失っていた。しかし、会場の雰囲気は確かに最高潮に達していた。

夏目弥生はイヤホンを耳の後ろに外し、木村春奈と藤原遥と話をしながら、このつまらない幼稚なゲームを非難していた。決勝戦のステージなら、練習生たちと共演する応援ゲストを呼んだ方が格調が高いはずだ!

今のこれは一体何なのか?彼らは番組側が経費節減のために、人を呼ぶ費用を節約しようとして、こんな小さなゲームを考え出したのではないかと深刻に疑っていた。

しかし、彼らがつまらないと感じている一方で、ファンたちは皆盛り上がっていた。まるでゲームに没入しているかのように、応援の声が途切れることなく、会場は非常に賑やかだった。

すぐに。

ステージ上のゲームが始まった。

各グループには三回のチャンスがあり、そのうち一回は場外助けを求めることができる。

試合は選手の現在の順位に従って、一位の伊藤未央から始まり、順番に進行する。

ファンたちは予め三つの問題、つまり三つの歌詞を用意しておく必要があった。場外の講師に助けを求める場合は自分の問題を二つ使い、助けを求めない場合は全て自分の問題を使うことができる。