第519章 水風船が曽我若菜の頭上に浮かんだ

このステージでは、会場に専用のホログラム投影スクリーンが設置され、練習生たちの会場内外での投票支持状況がリアルタイムで表示されていた。一分一秒ごとに票数が変動し、出演者も観客もはっきりと確認することができた。

ステージでパフォーマンスを終えたばかりの曽我若菜は、スクリーンに映し出された彼女のリアルタイムランキングと、絶え間なく増加する投票数を見て、とても満足していた。

彼女は現在7位で、6位の木下静香との差はわずか5000票ほど。数字の動きから正確に推測すると、彼女の票数の伸び率は木下静香よりも速く、そう長くない間に追い抜けるはずだった。

彼女の座を奪おうとした佐藤嫣については、すでに大きく引き離していた。票数で3万票も差をつけ、票数の伸び率も緩やかで、追いつくなど夢のまた夢だった。