第568章 日幸、お母さんの車

水野日幸は庭の方向をもう一度見たが、何も言わなかった。

藤田清義がどんな苦衷を抱えていようと、どれほどのプレッシャーや負担を背負っていようと、彼女にとって、彼の行動はマイナス点だった!

藤田清義と藤田清明が庭に行った後、リビングは完全に静かになり、寝室からも何の物音も聞こえなくなった。

およそ30分後。

寝室のドアが内側から開いた。

瑾智と上條千秋が並んで出てきた。

水野日幸は振り返って、彼らに微笑みかけた。目の前の二人を見て、この瞬間の感情を表現できる言葉も、二人が並んで立っているときの印象を表現できる言葉も見つからないと感じた。

あえて形容詞を探すとすれば、それは魂の調和としか言えない。二人は雰囲気も容姿も、極めて相性が良く、天が結んだ運命のペアのような印象を与えた。