第528話 色を重んじ友を軽んじる奴！

彼女は息を飲み、理由もなく不安になり、すぐに彼の足に目を向けた。彼の足は薄い毛布で覆われており、何も見えなかった。

その少年は彼女を一瞥し、一声鼻を鳴らすと、頭を窓の方向に向けた。高慢な態度の中に幼さが混じり、全身で「私は怒っているんだ！」と主張していた。

インターナショナルクラスの生徒たちは、つい先ほどまで「日幸姉！」と騒々しく呼んでいたが、藤田清明の表情の変化に気づくと、空気を読んで静かになった。

その少年は緒羽様の友人で、昨日アメリカから帰国したばかりで、学校を見学に来て、日本の高校を見てみたいと言っていた。

みんなは藤田清明と水野日幸を交互に見て、何か雰囲気がおかしいと感じ、お互いに視線を交わし、誰かから答えを得ようとしていた。

水野日幸はインターナショナルクラスの生徒たちに挨拶をした後、真っすぐ彼の前に歩み寄り、何事もないかのように通り過ぎようとしたが、結局我慢できずに尋ねた。「坊ちゃま、これが最新のスタイル？」

くそっ！

本当に知り合いだったんだ！

インターナショナルクラスの生徒たちは驚いた後、すぐに興味津々な表情になった。この二人の間にどんな関係があるのか見たくなった。なにしろこの少年は本当に美しかった。そう、雌雄を区別しがたい、しかも化粧っけのない中性的な美しさで、一目見ただけで魅了され、見れば見るほど魅力的だった。

緒羽様もハンサムだが、彼とは異なるタイプだった。彼らが見てきた中で、彼と肩を並べられるのは、数えてみても日幸姉だけだった。日幸姉の美しさは、一見冷たく攻撃的だが、見れば見るほど味わい深い美しさだった。

この二人は、容姿の面で本当に互角で、甲乙つけがたかった。

インターナショナルクラスの生徒たちは、二人が知り合いかどうかよりも、目の前の二人の美しさに魅了されていた。

「ふん！」藤田清明はまた冷たく鼻を鳴らし、彼女に一瞥もくれなかった。

彼は怪我をした、事故に遭った、足も折れた。なのにこの意地悪な女は、彼を見ようともせず、気遣いの言葉一つかけてくれない！

水野日幸は心の中でため息をつき、幼稚だなと思いながら、彼が無視するなら、そのまま自分の席に座ってスマートフォンでゲームを始めた。