第526話 グループデビューの時

こちらも彼女に余計な考える時間を与えることはできず、音楽が鳴り響き、素早く注意力を集中させ、すべての喜び、すべての希望、すべての夢、すべての心血を、このデビュー曲に注ぎ込んだ。

最後のグループデビュー曲『遠くへ飛ぶ』は、作詞作曲が夕子先生、振付は夏目弥生と谷川陽だった。

会場の全てのファン、テレビの前の視聴者たちは、デビュー曲のオリジナル豪華陣容に再び歓声を上げながら、心を揺さぶるステージに全身全霊で見入り、この視覚の饗宴に浸っていた。歌から踊りまで、完璧で隙のないものだった。

その中で最も喜んでいたのは、夏目弥生と谷川陽の二人だった。少女たちがデビューステージで存分に魅力を発揮する姿を見て、目には満ち溢れる安堵感、心には満ち溢れる喜びがあった。

これは彼らが夕子先生と初めてのコラボレーションで、夕子先生の才能にますます敬服するばかりだった。作詞作曲は彼女が一人で完成させ、振付にも意見を出し、最終的に二人で協力して完成させた。近いうちに夕子先生とまた協力できることを、思わず興奮して期待し始めていた。

ステージ上で、パフォーマンスが終わった。

司会者は既に万衆待望の瞬間を興奮して発表していた。全ての努力、全ての汗は、この瞬間のために存在していた。

最終的にデビューする七人の少女たちの名前が、司会者の呼び上げるリズムに合わせて、順位順に会場の各大画面に表示された：伊藤未央、石田文乃、山本雅子、柳田浅未、関口柔、木下静香、佐藤嫣。

七人の少女たちがグループを結成し、グループ名は正式に：キラキラ☆ガールズと命名された。

会場が一瞬静まり返った後、雲を突き破るような歓喜の叫び声が上がった。デビューが決まった各メンバーのファンたちは互いに抱き合い、叫び、この最後の勝利を祝福していた。

推しメンが落選したファンたちは、当然気分が上がらず、既に多くの人がいつの間にか静かに退場していた。特に曽我若菜のファン層は、我に返った後、人目を避けたくなり、大半が撤退していた。

残りの少数は、この時他のデビューメンバーのファンたちと一緒に歓声を上げ叫んでおり、既に曽我若菜を見捨て、新しい応援対象を素早く見つけたように見えた。