唇の間から塩辛い味が漏れ出し、長谷川深の体は突然硬直した。止まると同時に、理性も少しずつ戻り、心配そうに、慌てて少女を見つめ、嗄れた声で「ごめん」と言った。
彼女は、彼に驚かされたのだろう!
くそっ、どうして彼女にこんなことができたんだ!
水野日幸は突然彼の首に腕を回し、再び唇を重ねた。
ある種のものは、一度始まってしまえば、もう二度と戻せない。長い間抑え込んでいた感情は、この瞬間、突然決壊した洪水のように、もう抑えることができなかった。
とても長い時間が過ぎた後。
水野日幸は荒い息を吐きながら、彼を見上げた。瞳には満天の星のような輝きと、彼の姿が映っていた。少し嗄れた声で「お兄さん、どうしたの?」と尋ねた。
「会いたかった」長谷川深は低い声で答え、細長い深い瞳は、彼女の今の恥じらう姿を骨の髄まで刻み込むかのようだった。「付き合おう!」