外では、雪が舞い、北風が吹きすさび、気温が急降下していた。
大豆田秋白は地下室の入り口で見張りをしていたが、中にいる水野日幸がどうなっているのか分からなかった。雪はますます激しく降り、風に吹かれて思わず身震いし、体には雪が積もり、もう雪だるまになりそうだった。
中は静まり返っていた。彼女が入ってから何の物音もなかった。彼はしばらく耳を澄まし、待った後、少し離れて携帯電話を取り出し、電話をかけた。
彼は長谷川深の電話番号を持っていなかったが、出雲絹代の番号は持っていた。彼女に電話をかけ、長谷川深の番号を聞いた後、決心して彼に電話をかけた。
どんな事情があろうとも、日幸がすでに知っていて、彼に何も言わず、何もしなかったのなら、長谷川家の問題は彼や母親とはあまり関係がないはずだ。
時間は一分一秒と過ぎていった。
彼は入り口で見張りながら、前方を見つめていた。約30分後、ついにその人物が吹雪の中に現れた。
遠くから、雪のカーテン越しに、その人物のシルエットはぼんやりとしていた。足早に歩き、すぐに彼の前に来て、軽く頷いた。
大豆田秋白も頷き返し、後ろの鉄の扉を指さし、気を利かせて静かに下がった。
彼は敵意を示さなかった。秋白は自分が考えすぎていたのだと突然思った。もし彼が誰かを探したいと思えば、誰も逃れることはできないだろう。
彼が自分や母親を見つけなかったということは、彼らに迷惑をかけるつもりがないということだ。彼と母親が上手く隠れていたからではない。
背後で、古びた鉄の扉がかすかな音を立てた。
彼は振り返らなかった。これからのことは彼には関係ない。彼にできることはここまでだった。彼は家に帰って母親を見なければならない。母親に多くのことを尋ねなければならない。
今回、母親はきっと事の顛末を話してくれるだろう。
雪が舞い、北風に巻き上げられて地下室の中に吹き込んだ。
地下室の入り口で、長谷川深は静かに立っていた。彼の高い体が外からの風雪を遮っていた。
部屋の中の光は冷たい白色で、部屋全体を包み込んでいた。空気中には生臭く、冷たく、湿った匂いが漂っていた。
ここのすべては、彼の記憶の中のものと少しも変わっていなかった。すべては彼の最も深く、最も嫌悪する悪夢の中に存在していた。