夕食を済ませた後、来栖季雄はベッドに新しいシーツと布団カバーを取り替え、学校の寮に戻ろうとした。
しかし、鈴木和香は彼の手を引いて止めた。
来栖季雄は鈴木和香が怖がっているのだと思い、特に何も言わずに、パソコンの前に座ってそれを開いた。
鈴木和香はベッドで携帯をいじっていた。
部屋の中は静かで、デスクトップパソコンが動作する時のブーンという音だけが聞こえていた。
時間は早く過ぎ、あっという間に夜11時になった。来栖季雄は直接布団を敷いて床に横たわり、鈴木和香はベッドに横たわっていた。布団からは来栖季雄と同じ香りが漂い、彼女の心臓の鼓動は次第に早くなっていった。
その夜、時は静かに流れ、若い二人は一線を越えることなく、同じ部屋で静かに自分の想いを巡らせながら、お互いの寝息を聞きながら眠りについた。