彼女は疲れていないわけではなかったが、来栖季雄と同じクラスになれるかもしれないと考えるたびに、強い動力が湧いてきた。
彼女の絶え間ない努力の結果、期末試験で予想外の好成績を収め、全ての教師から「ダークホース」と称賛された。
彼女は願い通り理系クラスの1組に入ることができた。
しかし、成績表が出た時、来栖季雄の期末試験の成績が特に悪く、1組には入れず、直接3組に配属されたことを知った。
こうして、鈴木和香の夢は砕け散った。彼女は椎名佳樹と同じクラスメートになり、来栖季雄は理系3組へ、鈴木夏美は文系を選んで文系3組となった。
周りの友人たちは皆、鈴木和香のこの成績を喜んでくれたが、彼女は作り笑いで祝福を受け入れた後、一人で教師棟の裏手にある小さな雑木林に隠れて、激しく泣いた。
辛かったが、来栖季雄と同じクラスになれなかったことは変えられない事実だった。彼女は高校1年生の時と同じように、こっそりと彼のことを気にかけ、観察するしかなかった。
3組の女子は、1組の女子のように成績が良くプライドが高いわけではなく、好意を持っていても控えめな態度を取るというよりも、鈴木和香が休み時間に3組の教室を通りかかる度に、来栖季雄の周りに何人もの女子が集まって、きゃあきゃあと何かを話しているのを見かけた。彼はたいてい無表情で黙っているか、机に伏せて死んだふりをしているのだが、そんな光景を見るたびに、まるで大量の酢を飲んだかのように、耐えられないほど胸が苦しくなった。
鈴木和香は、来栖季雄が下校後に、ある女子と学校の門前で立ち話をしたり、一緒にバスで帰ったりする場面に出くわしたこともあった。その女子は、彼女も知っていた。彼らのクラスの学級委員長で、学校の文化祭などでよく注目を集めていた。その時、鈴木和香は胸の中で誰かにナイフで刺されたような痛みを感じ、世界が今にも崩れ落ちそうな気がした。そして夜になると家で、彼とその女子は一体どんな関係なのかと、あれこれ考え込んでしまうのだった。
もちろん、鈴木和香と来栖季雄との間には素敵な思い出もあった。例えば高校2年生の後期に、生理痛で顔面蒼白になり、壁につかまりながらやっと歩いていた彼女を、彼が支えて保健室まで連れて行ってくれたことがあった。