第157章 私の質問に答えて(9)

「はぁ、若い子は恐ろしいわね。私のこの女優賞の座も、そのうち危うくなりそう、もう愛せない気がする……」と言いながら、松本雫は首を振り、残念そうな表情で言った。「悪意を持って写真を撮って、それをSNSに投稿して、さらにそれを話題にまでしようとした人が、結局他人の踏み台になっちゃうなんて、はぁ、可哀想に……」

松本雫の言葉が終わらないうちに、来栖季雄の冷たい視線を受け、そして躊躇なく即座に話の調子を変え、正義感あふれる口調で言った。「私、そういう人が大嫌いなの。撮影に専念すればいいのに、余計なことばかりして騒ぎを起こして、面白いの?そういう人は本当に許せない、見つけ次第徹底的にやっつけるべきよ……」

松本雫の言葉が終わらないうちに、来栖季雄は冷淡な口調で彼女の言葉を遮った。「さっき私が言ったことは、絶対に口外しないでくれ。第三者に知られたら……」

来栖季雄の脅しの言葉が終わらないうちに、松本雫は来栖季雄の真似をして、彼の言葉を遮った。「あなた、今何て言ったの?もう一度言ってみて……」

来栖季雄は黙っていた。実は彼の心の中では、常に松本雫を信頼していた。そうでなければ、彼女に助けを求めることもなかっただろう。

来栖季雄は松本雫に「行くぞ」と言い、車のドアを開けて降りようとした時、突然松本雫の携帯が鳴り、松本雫は思わず「鈴木和香からよ!」と叫んだ。

来栖季雄は眉をひそめ、再び座席に戻った。

-

松本雫のファンは来栖季雄のファンに劣らず多く、彼女のSNS投稿は投稿からわずか5分で話題入りした。

松本雫の投稿を最初に見つけたのは馬場萌子で、すぐに鈴木和香を呼んで見せた。

松本雫は芸能界での人脈が非常に良く、彼女が投稿を共有すると、すぐに『傾城の恋』の監督も出てきて、昨夜は確かに台本の打ち合わせだけだったと説明した。監督が発言すると、『傾城の恋』の出演者たちは監督の機嫌を取るために、すぐさま同調して投稿を共有し、台本の打ち合わせだったと次々と表明した。最後には林夏音も偽善的に投稿を共有して、この件について説明した。

瞬く間に、画面いっぱいに広がっていた鈴木和香への批判は、松本雫と来栖季雄を支持する声に変わり、さらには噂を広めた匿名アカウントを非難する声も出始めた。