林夏音はつま先立ちになり、ブランコの上の方にある麻縄を引っ張り、その周りに絡まっている花を少し上げて、小石を手に取り、その縄を擦り始めた。
最後に細い縄が一本だけ残った時、林夏音はようやく手を止め、花で傷つけた縄を隠し、周りを見回して誰にも気付かれていないことを確認すると、足早に立ち去った。
しばらく歩いてから、林夏音は手にまだ小石を握っていることに気付き、慌てて近くの湖に投げ捨てた。
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鈴木和香のシーンの撮影時には、すでに夕暮れ時で、ちょうど夕日が沈みかけ、山荘全体が赤く染まっていた。
このシーンは鈴木和香一人の出演で、内容としては、劇中の女二号が男二号に愛される可能性がないことを悟り、諦めようとする場面。男二号が彼女のために作ったブランコに一人で座り、二人の思い出を振り返る。