第263章 あなたへの誕生日プレゼント(3)

鈴木和香のアルバムには写真がそれほど多くなかったが、その中の一枚が、鈴木夏美の目を引いた。

それは二人の写真で、女性は鈴木和香、男性は彼女がよく知っている来栖季雄だった。

鈴木夏美は約5秒間立ち止まってから、手を上げて写真を拡大した。そこで彼女は、その写真がベッドの上で撮られたものだと気づいた。来栖季雄は目を閉じ、鈴木和香を抱きしめながら深い眠りについており、鈴木和香は彼の胸に寄り添い、その表情には女性らしい優しさが漂っていた。その写真は露骨なものではなく、鈴木和香の胸の上部までしか写っていなかったが、彼女の白い鎖骨に残された濃淡様々なキスマークが、すべてを物語っていた。

鈴木夏美は、この写真を見たときの気持ちを一生忘れることはないだろうと思った。

衝撃、愕然、信じがたい思いだったが、スマートフォンの画面に映る写真と先ほど見たタオバオのチャット履歴は、否応なく事実を突きつけてきた。

鈴木夏美の頭は丸一分ほど真っ白になり、ようやく一つの認識が浮かび上がってきた:鈴木和香と来栖季雄は関係を持っていた……

どうして二人は関係を持つことになったのか?いつからそうなっていたのか?

鈴木夏美はそう考えながら、鈴木和香の写真の撮影日時を確認すると、それは2ヶ月前のことだった……

なるほど、だから来栖季雄が突然プライドを捨てて助演を引き受けたのか、だから鈴木和香の一言で来栖季雄が食事に誘ってくれたのか。そして、あの時自分が来栖季雄と食事の約束ができたのも、鈴木和香も来ると言ったからこそ、彼が承諾したのだ……

そうか、あの時すでに、二人は密かに関係を持っていたのだ。

鈴木和香はすでに椎名佳樹の妻なのに、どうして来栖季雄と関係を持ち続けているのか?もしこれが発覚したら、椎名佳樹はどうなるのか?そうなれば、実の兄弟が敵同士になってしまうのではないか?それに鈴木家と椎名家は政略結婚だったのに、こんなことが起これば、長年の親密な関係も破綻してしまう。そして、鈴木和香は間違いなく世間から非難されることになる……

鈴木夏美はここまで考えて背筋が寒くなった。もしその日が来たとき、鈴木和香がどうやって親戚や友人たちの前で顔向けできるのか、想像することさえできなかった……