第273章 あなたへの誕生日プレゼント(13)

鈴木和香は当然承諾するだろうが、彼女が指で録音機を開くと、流れたのは歌ではなく、自分で手を加えた録音だった。

そして彼女は慌てたふりをして録音機を止めようとしたが、すでに一部の会話を聞いてしまった赤嶺絹代は、最後まで再生するよう要求した。

彼女は緊張した表情で赤嶺絹代の隣に座り、録音が全て終わってから、おそるおそる赤嶺絹代に言った。「椎名おばさん、和香ちゃんと佳樹さんには、あなたが二人の恋愛関係を知っていることは絶対に言わないでください。二人は私に秘密にするよう頼んだんです。」

……

ここまで思い返して、鈴木夏美は手にしていたRIOを一気に飲み干した。

政略結婚の現状は誰にも変えられないもので、結婚は最高の協力関係だ。彼女は自分の私利私欲のために、鈴木和香の一生の幸せを売り渡してしまった。