別荘の門の外にある街灯の下まで歩いてきた来栖季雄は、やっと立ち止まり、手に持っていた燕の巣を助手に渡して、簡潔に指示を出した。「この燕の巣を調べてくれ。信頼できる医者を探して、椎名家の人々に気づかれないように。結果が出たら、すぐに連絡してくれ」
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これまで鈴木和香は生理の時期になると体力が落ちることはあったが、今回ほど酷くなったことはなかった。まるで大病を患ったかのように、体が思うように動かないことが多かった。
体がだるいため、鈴木和香はほとんどの時間を眠って過ごしていた。しかし、目が覚めるたびに来栖季雄が寝室にいて、水を飲ませたり、食事を食べさせたりしてくれた。
最初は、彼のこのような細やかで優しい振る舞いに戸惑い、慣れない様子だったが、数日が経つと次第に慣れてきた。