来栖季雄はアシスタントから送られてきたメッセージを見つめたまま、心の中で何とも言えない緊張感を覚えた。眠っている鈴木和香をしばらく見つめた後、部屋を出て、ドアを閉め、隣の書斎に向かい、アシスタントに電話をかけた。
アシスタントはすぐに電話に出た。彼が何も言わないのを当たり前のように、アシスタントは自分から報告を始めた。「来栖社長、私が信頼できる大学の同級生に鑑定を依頼したんです。本来なら翌日には結果が出たはずなんですが、その同級生が海外に行っていて、昨日帰国したばかりで、今朝すぐに会いに行きました。」
「ああ」来栖季雄は相槌を打ち、聞いていることを示した。
アシスタントは本題に入らず、むしろ尋ねた。「来栖社長、その燕の巣はどちらから?」
来栖季雄は眉間にしわを寄せ、心の中に不吉な予感が浮かび上がってきた。