第412章 さようなら青春、さようなら私の恋(22)

前方の交差点に着いたとき、来栖季雄は突然茫然として、どこへ行けばいいのか分からなくなった。

彼は今また一人になってしまった。

父親は彼を拒み、母親は他界し、そして愛する女性は、たった今彼のもとを去った。彼はまた以前のような、一人きりの日々に戻ってしまった。

長らく感じることのなかった孤独感が、一瞬にして彼を包み込んだ。

来栖季雄は目的もなく車を走らせ、どれほどの時間が経ったか分からないまま、最後には桜花苑に戻っていた。

陽光に照らされた白壁と赤瓦の別荘は、とりわけ美しく見えた。彼は車を停め、家の中に入り、普段と変わらない部屋を見回したが、異常なほど空虚に感じられた。ダイニングのドアが開いていて、彼女が作った朝食がまだテーブルの上に置かれたまま、片付けられていないのが見えた。彼女と朝食を共にした光景が、まるで目の前に浮かぶかのようだった。

来栖季雄の目が熱くなり、慌てて階段を上がり、寝室のドアを開けた。かつて彼女の化粧品で埋め尽くされていた化粧台が空っぽになっているのを見て、胸の痛みはさらに増した。よろめきながら浴室に入ると、彼女の洗顔料、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーはすべて消え、歯磨きコップ、歯ブラシ、歯磨き粉まで片付けられていた。更衣室のクローゼットも半分空になり、整然と並んだ男物の服だけが残されていた。

彼女はこうして去ってしまった……まるで彼の世界に現れたことなど一度もなかったかのように……あの八ヶ月の時は、まるで彼の見た夢のようで……目覚めた時の現実は、あまりにも残酷だった。

来栖季雄は息苦しさを感じ、慌てて寝室を出て、階段を駆け下り、別荘を出て車に乗り込んだ。そうしてようやく、少し楽になったような気がした。

別れてからわずか三十七分四十八秒、彼はすでに耐えられないほど彼女を恋しく思っていた。

もうここにはいられない。ここにいては、彼の思いがさらに暴れ出すばかりだった。