第550章 13年間愛してた(20)

最初に鈴木和香が入ってきたのを見たのは、椎名家の執事でした。「和香様、いらっしゃいましたか?」

鈴木和香は微笑みを浮かべ、軽く頷いて、来る途中で買った栄養剤を執事が分類している栄養剤の横に置きました。

赤嶺絹代は椎名佳樹が額をマッサージしていた手を払いのけ、体を起こして、自分のベッドの端を軽く叩きながら言いました。「こちらにお座りなさい。」

「椎名おばさん、佳樹兄。」和香は礼儀正しく近づき、それぞれに挨拶をしてから座りました。

赤嶺絹代は和香が置いた栄養剤を見つめ、声は弱々しかったものの、優しい口調で言いました。「和香、来てくれるだけでいいのに、何も持ってこなくても。」

椎名佳樹は思いやり深く、クッションを取って赤嶺絹代の背中に当てました。「和香があなたを心配しているからですよ。」