第554章 13年間愛してた(24)

彼女の頭脳は冴えていて、自分の体力が徐々に失われていくのをはっきりと感じ取ることができた。意識も同時に薄れていき、心の中に恐怖が芽生えた。体の中には、来栖季雄にまだ書き終えていないメッセージを送るという一つの思いだけが残っていた。

これが彼との最後の会話になるかもしれないと思った。

鈴木和香は必死に手を上げ、近くにある携帯電話を掴もうとした。しかし、指を動かした瞬間、全身の隅々まで骨を刺すような痛みが走った。彼女は痛みに耐えながら、とても大きな力を使って、ようやく携帯電話に手が届いた。しかし、携帯電話を持ち上げる力さえ出せず、結局、携帯電話を自分の前まで引きずることしかできなかった。画面を点灯させた直後、目の前が真っ暗になり、完全に意識を失った。

鈴木和香が気を失うと同時に、連続して三回のメッセージ着信音が、ピンポンピンポンと鳴り響いた。点灯したままの携帯電話の画面には、来栖季雄からの三つのメッセージが表示されていた。