第487章 婚約解消（7）

【夕食は食べましたか？】

鈴木和香はテーブルの上のデリバリーを一瞥して返信した：【まだです。お腹空いてないので。】

今回、来栖季雄はすぐに返信してきた：【夜、夜食でも食べに行きませんか？】

鈴木和香は即座に返信した：【いいですね。】

【仕事が終わったら、連絡します。】

鈴木和香が来栖季雄に返信しようとした時、突然電話がかかってきた。鈴木家からだった。和香は躊躇なく電話に出ると、鈴木夫人の声が聞こえてきた。「和香、今時間ある？鈴木家に来てくれない？」

「今ですか？」

「そう、今すぐ。」

鈴木和香は電話越しの叔母の声色が少し深刻そうで、何か起きたようだったので、「はい」と答えて言った：「分かりました。今すぐ行きます。」

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環映メディアは最近いくつかのプロジェクトを抱えており、来栖季雄は本当に忙しかった。会社の幹部全員も一緒に残業して分析レポートを作成していた。

来栖季雄は無表情で企画部長の意見を聞きながら、いつもなら半日中振動していなかった携帯を見ると、鈴木和香に送ったメッセージに返信がないことに気付き、携帯を伏せて、再び企画部長の背後のスクリーンに目を向けた。

突然、会議室のドアが開き、まだ退社していない若い秘書が来栖季雄の秘書に手招きをした。来栖季雄の秘書はキーボードを打つのを止め、会議の進行を妨げないように静かに会議室を出て、若い秘書と何か話をした。若い秘書が頷いて去り、秘書は再び静かに会議室に戻って席に着くと、来栖季雄の耳元に向かって言った：「来栖社長、夏美様がいらっしゃって、お会いしたいとのことです。」

来栖季雄は眉を動かし、鈴木夏美が来たことに驚いた様子だったが、すぐに平静を取り戻した。

秘書は小声で続けた：「応接室でお待ちいただくようお伝えしました。」

来栖季雄は軽く頷いただけで、聞いているようでもあり聞いていないようでもあり、再び携帯を手に取って一瞥してから、会議に戻った。

約1時間後にようやく会議が終わり、時刻は既に夜の8時10分だった。来栖季雄は机の上の書類を整理し、真っ先に会議室を出ると、応接室で待ちくたびれた様子の鈴木夏美が会議室のドアの前で待っているのが目に入った。彼女は彼を見るなり足早に近づいてきて、後ろにいる多くの幹部の前で遠慮なく口を開いた：「来栖季雄、ちょっと話があります。」