第577章 知られざる事(7)

元々点滅していた七色の光が、突然暖かい黄色の光だけになり、その光は明らかにこんな言葉を描いていた:「和香、君を追いかけてもいいかな?」

鈴木和香が驚いている間に、他の壁に点滅していた色とりどりの光も次々と止まっていった。彼女が順番に見ていくと、ピンク色の光で「和香、十三年間愛してた」、青い光で「僕の彼女になってくれないか?和香」、そして最も大きな壁には、白い光で点滅する最も長い文章「あなたがいる季雄の人生こそが、安らかなもの。和香、あなたが望むなら、私は愛し続ける。望まなくても、私は愛し続ける。」

鈴木和香の視線は、この四つの光の文字の間を行き来し、しばらくしてようやく声を発した:「これは……」

「これは七夕の夜に、来栖社長が特別にあなたのために用意したものです。」アシスタントは和香が質問を終える前に答え、少し間を置いて続けた:「その夜、ここであなたに告白するつもりだったんです。」

鈴木和香は思い出した。来栖季雄はその頃、七夕の夜の食事のことを何度も話していた。当時二人はまだ付き合っていなかったのに、恋人同士がするようなことをしてしまった。彼女は心の中でそのことを密かに悲しく思っていたが、実は彼はすでに準備を整えていたのだった。

「このセッティング、彼は長い時間かけて準備したんです。」アシスタントは顔を上げ、テラスを見回してから、すでに枯れてしまった花を指さして言った:「特に空輸で花を取り寄せたんです。特にキキョウの花は、あなたが好きだと言うので、全ての色を用意させたんです。」

アシスタントの言葉を聞きながら、鈴木和香は思い出した。来栖季雄がある夜帰宅した時、パソコンを指さして新しい映画の告白シーンを選ぶように言った時のことを。その時彼は、注意点に触れるたびに、さりげなく彼女に「こういうのは好き?」と尋ねていた。彼女はときにはうなずき、ときには首を振って「私は好きじゃないけど、映画をより romantically にしたいならこれがいいかも」と答えた。その夜、彼女は彼にキキョウの花が好きだと告げたのだった。