鈴木和香の体から漂う甘い香りが、一瞬で来栖季雄の呼吸を包み込んだ。彼の残された意識は彼女を腕から引き離そうとしたが、手が上がらなかった。
抱擁の中の鈴木和香は、むしろつま先立ちになって、彼の唇を塞いだ。
唇と歯が触れ合う柔らかさが、彼の体内に渦巻く欲望を完全に爆発させた。理性は一瞬にして灰燼に帰し、頭の中でまだ何も考えが浮かぶ前に、足が上がってドアを蹴開け、鈴木和香を抱きしめたまま部屋に入り、後ろ足でドアを閉めると、彼女をドアに押し付けてキスを深めた。
来栖季雄のキスは激しく、そして強引で、鈴木和香の頭がクラクラするほどだった。柔らかな体から一瞬で力が抜けた。
おそらく薬の効果のせいで、男の動きは少し焦っていた。彼女の服を急いで脱がそうとしたが、ボタンが多すぎて難しく、彼は力任せに引き裂いた。ボタンが四方八方に飛び散り、床に落ちて次々と澄んだ音を立てた。