第675章 携帯の中のメッセージ(25)

鈴木和香は正午の十二時に目を覚まし、トイレに行って用を済ませ、手を洗っているときに来栖季雄が残したメモを一目で見つけました。

出張だなんて……

鈴木和香は歯を磨き、部屋を出て、携帯電話を手に取り、来栖季雄に電話をかけ返しました。

来栖季雄はすぐに電話に出て、受話器越しに、鈴木和香は電話の向こう側で空港の搭乗案内の音が聞こえました。

「起きたの?」

「うん」鈴木和香は柔らかい声で言いました。「出張は何日くらい?」

「仕事が終わり次第帰るよ。たぶん今週の金曜日かな」

「そう」鈴木和香は無意識に携帯電話を耳から離し、日付を確認しました。月曜日でした。

電話の向こう側の来栖季雄は、鈴木和香の声の落ち込みを感じ取り、低く笑いながら、定時に食事をすることや、夜は布団をしっかりかけることなどを細かく注意しました……