第688章 携帯の中のメッセージ(38)

最初に椎名家が価格を提示せず、鈴木家が提示したのは、鈴木家がここ数年で非常に良い発展を遂げていたからだ。

鈴木家が必ず落札するという姿勢を見せれば、多くの人が勝ち目がないと諦めるだろう。そうすれば、椎名家が価格を提示する際、かなりの金額を節約できるはずだ。

赤嶺絹代があんな態度を取っているのに、鈴木家の助けを借りるなんて、考えるまでもない!

鈴木家と椎名家が事前に打ち合わせをしていることを悟られないように、鈴木旦那は特に赤嶺絹代が価格を提示した後、二回ほど競り値を上げた。

「三億六千万、一回!」

「三億六千万、二回!」

「三億六千万、三回!」

司会者がハンマーを打ち下ろすと:「今年の最後のオークション品は、椎名グループの赤嶺女史に落札されました。おめでとうございます。」