第712章 スキャンダル(月票加更20)

だから特別に注意して見てみると、その人はすぐに隠れてしまった。そこで彼女は入り口に視線を向け、ぼんやりしているふりをしながら、目の端でずっとその盗撮している男性を観察していた。約5分後、ついに現行犯で捕まえた!

鈴木和香は今朝スキャンダルを報じられたばかりで、今も誰かに追いかけられて撮影されている。もし何か良くないものを撮られたら、一連の悪影響が出るかもしれない。

馬場萌子はすぐに視線を戻し、鈴木和香に注意しようとしたが、目の前に座っていた鈴木和香が突然立ち上がり、振り返って前方をじっと見つめていた。その表情と目は、少し驚きと少女のような恥じらいを含んでいた。

「和香、何を発狂してるの...」馬場萌子の言葉が途中で止まった。来栖季雄が彼女の視界に入り、鈴木和香の前に立っていた。周りにスマホで写真を撮っている人がたくさんいるのも気にせず、少し頭を下げ、華麗で冷たい声で「和香」と呼んだ。