第729章 来栖・鈴木夫婦（17）

「今度私も結婚証明書の味を試してみようかしら？」

「日を改めるより今日がいい、今日試してみて、結果を待っているよ……」

鈴木和香はこの前後に繋がった二つの返信を見て、思わず噴き出して笑ってしまった。

大多数のネットユーザーは来栖季雄が転載したそのウェイボー投稿を見て、思わず鈴木和香をからかい、そして驚くべきことに短い30分の間に【鈴木和香が結婚証明書を食べる】というトピックがトレンド入りした。さらにネットの達人たちは短時間で、和香がウェイボーに投稿した食べ物の写真をもとにQバージョンに改変し、彼女の手に持っていたパンが結婚証明書に変わっていた。そしてこの画像は爆発的に拡散された。

ほんの一瞬前まで、みんなは和香に羨望と嫉妬の目を向けていたのに、次の瞬間には全てが冗談に変わった。しかし皆にからかわれている和香の心の中は、蜜を食べたかのように甘く、目に笑みを浮かべながら来栖季雄を横目で見て、全く恨みのない口調で恨み言を言った：「全部あなたのせいよ……来栖季雄、謝りなさい！」

彼女のこの話し方は、季雄の耳には甘えているように聞こえた。彼の目元にも笑みが浮かび、スマホを置いて、少し頭を下げて彼女の耳元に近づき、淡々とした声色に少し色気を含ませ、十分な誘惑を込めて言った：「どうやって謝ればいい？跪いて謝る？」

和香は季雄の声に身体が震え、心臓もドキドキした。表情は強気に見えたが、声の震えが彼女の自信のなさを露呈していた：「いいわよ、跪いて謝ってみなさいよ……」

「いいよ」季雄の言葉が落ちると同時に、和香は再び彼の下敷きになった……

そして和香が息も絶え絶えになり、全身が完全に力尽き、季雄に泣きながら許しを請うと、季雄はようやく彼女を解放し、彼女を抱きしめ、耳元に近づいて耳たぶを軽く噛みながら尋ねた：「和香、僕はずっと跪いて謝っていたよ、少しも手を抜かなかった」

ずっと跪いて謝っていた……

和香は丸一分間呆然としていた。彼女の頭の中でようやく何かを理解したかのように、季雄が先ほど元気いっぱいに彼女を弄んでいた光景が浮かび上がった。確かに彼の言った通り、ずっと彼女の上に跪いていた……

そして和香は、後になって季雄の言葉の裏の意味を理解した。

ああああ……季雄の跪いての謝罪は……跪いて彼女と寝ること、体で謝ること……

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