第756章 椎名佳樹の決断(15)

来栖季雄は手を上げて、彼女の長い髪を撫でながら言った。「和香、君と繋がることができるなら、どんな大変なことでも、僕にとっては喜びだよ。」

君は知らないだろうけど、僕がどれほど、来栖季雄の名前の隣に鈴木和香という三文字が並ぶことを嬉しく思っているか。

僕から見れば、「来栖季雄」と「鈴木和香」というこの六文字で作られた文は、良い言葉であれ悪い言葉であれ、とても心を動かすものだ。

鈴木和香の元々悲しくて辛かった心は、来栖季雄のこの一言で温かくなった。彼女は来栖季雄に向かって少し口を尖らせ、まだ少し悔しそうに言った。「でも、ネットの人たちは、私があなたに釣り合わないって言ってるよ。」

「そうだね……」来栖季雄は真面目な顔で口を開いた。それによって鈴木和香のようやく良くなった気持ちが、一瞬でまた沈んでしまった。続けて来栖季雄は自分を叩きながら、「確かに僕が……」そして鈴木和香を指さして、「……君に釣り合わないんだ。」