なぜなら、あの窓から学校のバスケットボールコートがちょうど見えて、毎週水曜日の午後の3時間目は1組の体育の授業で、バスケットボールコートでプレーしている来栖季雄を見ることができたからだ。
来栖季雄は鈴木和香が座っていた席をしばらく見つめてから、視線を戻し、再び鈴木和香の目を見つめ、明らかに寂しげな口調で言った。「あの時の僕は、君と同じクラスになれると思っていたんだ。」
鈴木和香は来栖季雄のこの言葉に、心の底から悲しみと言い表せない感慨が湧き上がってきた。
若かった彼は、彼女のためにわざと試験を半分空白にして3組に来たのに、彼女は彼のために必死に勉強して1組に入った。そうして二人は運命のいたずらですれ違ってしまったのだ。
喉に何かが詰まったような感覚があり、少し酸っぱく、そして温かい。鈴木和香は唇の端を少し上げ、少し震える声で言った。「不思議ね、あの頃の私も、あなたと同じクラスになれると思っていたの。」
来栖季雄は鈴木和香を見つめる目に驚きと喜びの色が浮かんだ。「君が1組に入ったのは、僕と同じクラスになりたかったから?」
「そうよ。」鈴木和香はうなずき、何気なく机に寄りかかりながら、あの頃の思い出を振り返るように、頭を傾けてしばらく考えてから言った。「今思い出しても悪夢のような半年だったわ。1組に入るために、ほとんど朝の1時前には寝たことがなくて…」
鈴木和香の言葉が終わらないうちに、来栖季雄は彼女を突然引き寄せて強く抱きしめた。抱擁とともに、彼の穏やかな声が聞こえてきた。「じゃあ、君がA大学に入ったのも、僕のため?」
「うん。」鈴木和香はただ軽く返事をしただけで、すぐに来栖季雄に唇を塞がれた。
来栖季雄はキスの途中で突然鈴木和香の唇を離し、少し息を乱して言った。「和香、僕はとても嬉しい。」
本当に嬉しい。
あの無邪気な青春の日々、彼一人だけが努力していたわけではなく、彼女も同じように頑張っていたのだ。
本当に感謝している、青春の時に、若き日の君を愛することができて。
来栖季雄は再び鈴木和香の唇に口づけた。教室はとても静かで、陽の光が窓から静かに机の上に差し込み、埃を照らし出していた。
本当に良かった。
あの年の彼は、あの年の彼女に出会い、そして彼らの物語はあの年から始まった。
十三年後。