第28章 積極的な攻撃2 クズ男とクズ女を皮肉る

翌日の早朝。

鈴木邸は少し賑やかになっていた。2人の高級メイクアップアーティストが訪問サービスを行い、鈴木知得留と根岸佐伯の化粧に重点を置いていた。

鈴木知得留は化粧鏡の前に座り、すでにシルバーのビジュー付きイブニングドレスに着替えていた。体にフィットしたデザインとロングスカートが彼女をすらりとした姿に見せ、首には細いプラチナのネックレスをつけ、鎖骨の間に小さなダイヤモンドが輝き、ドレスと調和しながらも派手すぎない印象だった。

一方、隣に座る根岸佐伯は、いつものように純白のプリンセスドレスを選んでいた。いつも自分を清楚で気品のある姿に見せたがるが、正式な場では大抵、迫力不足に見えてしまう。

静かな化粧室で、ドアの方から物音が聞こえた。

鈴木知得留は鏡越しに、黒いスーツを着て髪を完璧に整えた冬木空の姿を見た。彫刻のように整った顔立ちで、今は薄く唇を結んで上から見下ろすような様子...鈴木知得留は認めざるを得なかった。この男は国を滅ぼすほどの美貌の持ち主だと。

そして冬木空の後ろには、田村厚も現れた。

冬木空の正装姿に比べ、田村厚はかなり質素な様子で、白いシャツと少し色あせたジーンズを着て、髪も手入れされておらず、全体的にやせ細って見え、冬木空と比べると本当に...取るに足らない存在だった。

根岸佐伯でさえ、その瞬間、彼女の兄が完全に見劣りしていることを認めざるを得なかった。鈴木知得留が冬木空を見た翌日に気持ちを変えたのも無理はない、普通の女性なら誰でもそうするだろう。

心中穏やかではなかった。

「来てくれたの?」鈴木知得留は冬木空に向かって言った。口角を上げ、表情は優しく、言葉さえも甘えるような親しみのこもったものだった。

冬木空は上手く応じた。「もちろん、直接迎えに来なければね。」

鈴木知得留は明るく笑った。

根岸佐伯は表情が暗くなり、鈴木知得留と冬木空のやり取りを見た後、田村厚の方を見た。田村厚の表情も良くなかった。

その時。

ドアの外から鈴木山が入ってきた。そばには根岸史子がいた。

鈴木山は入るなり冬木空に対して特に親しげに、「さっきメイドから来たと聞いたけど、どうして前もって言ってくれなかったの?」

「鈴木おじさま、根岸おばさん、こんにちは。」冬木空は珍しく礼儀正しかった。