付属第一病院のVIP病室。
鈴木知得留はベッドに横たわっている鈴木山を見て、急いで尋ねた。「お父さん、今どう?」
「高血圧で少し目眩がするだけだよ。村上アシスタントが大げさに騒いだだけさ」と鈴木山は言った。「ただ、部署にまだ少し処理してもらう必要のある仕事があって、村上アシスタントに戻ってもらわないといけないんだ。でも私一人を病院に置いておくのが心配だったから、君を呼んだんだ」
「お父さん、高血圧を軽く考えないで!何度も言ってるでしょう、血圧には気をつけないと!」知得留は不満げに言った。
「はいはい、分かってるよ」鈴木山は適当に答え、村上忠に向かって言った。「早く戻りなさい。ここは知得留がいるから大丈夫だ」
「はい、社長」村上忠は恭しく退室した。
鈴木知得留は村上忠が去るのを見送り、父の専属医に確認して単なる血圧上昇による目眩だと分かってようやく安心した。そのとき、何かを思い出したように鈴木山に言った。「お父さん、せっかく病院に来たんだから、全身検査をしましょうよ」