鈴木知得留は冬木空の車に乗って鈴木邸を出た。
鈴木知得留は自分の保管していた血液と牛乳を冬木空に渡し、「結果が出たら知らせて」と言った。
「ああ」冬木空は頷き、高級車の車載冷蔵庫にそれらを入れた。
「これからどこに行くの?」鈴木知得留は尋ねた。
「デートを提案したのは君だろう」冬木空は答えた。
つまり、行き先は彼女が決めるということだ。
「冬木空、男なら積極的になれないの?」鈴木知得留は不機嫌そうに言った。
「君はとても素直だと思っていたけど」冬木空は口角を上げ、「今は要求が多くなったね?」
鈴木知得留は言葉に詰まり、しばらくしてから「私を甘やかしてくれたことある?」と言った。
冬木空は答えないどころか、悠然と笑っていた。
しかも、その笑顔が魅力的だった。
何を笑ってるのよ、このバカ!