第45章 事件の始まり2　事故発生

夕食後、家族はリビングで少し座っていたが、鈴木知得留は彼らの結婚式の話に興味がなく、部屋に戻った。

田村厚は鈴木知得留の後ろ姿を見つめ、根岸史子と目を合わせてから、彼女の後を追った。

「知得留」後ろから、田村厚の声が聞こえた。

鈴木知得留は裏庭を通って部屋に戻ろうとしていたところで、足を止め、田村厚を振り返った。表情は良くなかった。「何か用？」

「私に言いたいことは何もないの？」田村厚は鈴木知得留に近づき、かなり近い距離まで来た。

鈴木知得留は眉をひそめ、少し足を引いた。

表情は明らかに厳しかった。

田村厚の表情が曇った。

「何が言いたいの？」鈴木知得留はいらだちながら尋ねた。

「いつか私たちがこうなるとは思っていなかったよね」田村厚は言った。「君は他の男を選び、私は別の女性と結婚して子供をもうける」

鈴木知得留は冷笑した。「私にとって、あなたが誰と一緒になろうと関係ないわ。私自身のことを率直に言えば、冬木空はすべての女性が憧れる結婚相手よ。私が彼と一緒になれたのは幸運だと思っているわ」

田村厚は鈴木知得留を激しく見つめた。「じゃあ、本当に冬木空のことが好きなんだな？」

「その質問には何度も答えてきたでしょう」鈴木知得留は冷たく言った。「もう一度言ってあげましょう。私は冬木空が大好きよ。好きというだけじゃない。この世界で、彼だけが私にふさわしい。あなたは...」

鈴木知得留は軽蔑的な目で、侮蔑を込めて言った。「遠く及ばないわ」

「知得留！」田村厚は拳を握りしめた。

「婿養子としてちゃんとやりなさいよ。根岸佐伯だってたいしたことないけど、あなたの何もない状態よりはましでしょう。大切にしなさい」鈴木知得留はそう言い残して、立ち去ろうとした。

正直、もう田村厚と回りくどい話をするのは嫌だった。回りくどい結果は遅すぎる、相手を怒らせた方が一刀両断できる。

「知得留！」田村厚は彼女を呼び止め、同時に彼女の腕を強く引っ張った。

鈴木知得留はバランスを崩し、田村厚の腕の中に倒れ込んだ。反応する間もなく、田村厚は突然頭を下げ、鈴木知得留の唇に激しくキスをした。

「んっ」鈴木知得留は吐き気を感じた。

以前の期待が、今では完全な嫌悪感に変わっていた。

しかし田村厚は全く気にせず、彼女に強制的に迫った。