第55章 弁護士を雇い、法廷の準備(2更)

部屋の中。

鈴木知得留は携帯を手に「必死に文を打ち」、「家族に話をしなかったの?」

「婚約破棄の通知を受け取った?」と向こうから逆に聞かれ、

鈴木知得留は口を尖らせた。

この人の話し方はなんてこんななの。

「用事があるから、もう切るよ」と冬木空がまたメッセージを送ってきた。

鈴木知得留は携帯を見つめ、怒らないように怒らないようにと自分に言い聞かせた。怒るのは自分の体に悪い。

彼女は深呼吸をし、携帯を脇に置き、目を閉じて何かを考え始めた。

今朝、病院で検察庁からの電話を受けた。証拠と証人が揃っているため、法廷の日程は来週月曜日、つまりあと5日後に決まった。5日間で、冬木空の方に何か進展があるかどうかわからないが、もしあれば、彼女に教えてくれるはずだ。

彼女は唇を噛んだ。神様が彼女に二度目の人生をくれたのだから、こんな時に死ぬわけにはいかない!