第107章 鈴木知得留の鋭さ(1)4更

高級な会議室で、全員が非常に厳粛な様子を見せていた。

鈴木知得留は目立たない席に座り、その瞬間、唇を軽く結んだ。

先ほど田村厚が話したこのアイデアは、彼女が商業管理機構の面接時に既に提案していたもので、田村厚がわずかに概念を変えただけだったのに、こんなに大きな得をするとは思わなかった。

そして。

このような場で、最高責任者の前で自分の能力を示せるチャンスなのに、田中雷は功績を直接田村厚に与えてしまった……理解に苦しむところだった。

その後、第一部門が説明を行った。

第一部門は典型的な規則通りの内容で、間違いは見つからないものの、特に優れた点もなく、何の評価も得られなかった。部門マネージャーは不機嫌そうに座り、落ち込んでいる様子だった。

第三部門の番になった。

楠木観月は席から立ち上がった。

このような重要な会議で、彼女は当然加藤正孝に説明させる勇気はなく、以前の部門の企画案を説明し、海上エンターテインメント事業については触れなかった。

鈴木知得留は眉をひそめ、楠木観月がこの点について慎重すぎると感じた。彼女から見れば、多くのアイデアは完璧である必要はなく、まず考えを提案して、その後評価すればいいと考えていた。第三部門の海上ホテル構想のように、実際の実現可能性は低いものの、青木太一も未熟だと指摘しながらも認めていたのだ。

会議で楠木観月は熱心に説明していた。

しかし明らかに、企画案の最終的な位置づけは第一部門と同様で、平凡で、欠点も長所も見つからず、むしろ第三部門が際立っていた。

楠木観月は説明を終え、父親の楠木天理を見た。

楠木天理は少し失望したように首を振った。

楠木観月は自分の席に戻り、明らかに辛そうだった。

楠木観月のような自尊心の強い人間にとって、このような大きな場で認められないことは、普通の人以上に受け入れがたい。